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SESって悪い噂多いけど、実際どうなの?
みなさんは「SES会社」と聞いたとき、どのような印象を持ちますか?
ネットで検索すると、様々な人がSESについて記事を書いていますが、
多くは酷評しているものが多いのではないでしょうか。
そんな影響もあり、SES会社についてあまり良くない印象を持たれている方多いと思います。
そこで本記事では、自社開発勤めだった私が、SES企業に転職して感じた良い点・悪い点について紹介していきたいと思います。
ですが本記事ではフラットに考えて、SESのメリットデメリットを紹介していきたいと思います。
今後転職を考えておられる方にとって、参考になる記事になれば幸いです。
なぜ自社開発からSES企業に転職したのか
本題に入る前に、少し私がSES企業に入った経緯について紹介させてください。
Web業界においては、自社開発からSESに転職する人は少ないと思います。
私の場合、なぜSES企業に転職したかというと、
「未経験の領域にチャレンジし、スキルアップしたかった」という動機があったからです。
コーダーからフロントエンドエンジニアへステップアップを目指して
私はWeb業界に入ったとき、コーダーからキャリアをスタートしました。
約4年ほどコーダーとして経験を積み、そろそろキャリアアップしたいなと考えていました。
そのとき興味を持っていた分野が、フロントエンドです。
ReactやNext.jsを使い、Webアプリケーションの開発をしたいと考えるようになりました。
そうしてフロントエンドエンジニアを目指し、転職活動を始めることにしました。
しかしそう甘くはない現実
コーダーからフロントエンドエンジニアへの転身を目指した転職活動は全く上手くいきませんでした。
Webアプリ開発に必要なフロントエンドの知識や経験が全く足りず、書類選考で落ちてしまうということが続きました。
そういった中で、私の頭の中にもSESという選択肢が出てきました。
そのとき私が抱いていたSES企業に対する印象はこちら👇️
- 未経験でも採用されやすい
- 未経験でもエンジニアとしての経験がある程度積める
- だがその分搾取されやすい(単価が低い、会社に中抜きされてしまうなど)
- 案件ガチャのリスクがある
このような悪い印象も持っていた中で、私がなぜSES企業に転職することを決めたのか。
SES企業に転職を決めた理由
結論
- とりあえず経験を積むことが最優先だと感じたから(お金は二の次)
- 様々な現場で経験を積めるのがメリットだと感じたから
- ネットで悪い噂があるが、自分の目でSESの実態を見たかったから
- SESはあくまでもステップアップとして捉えていた
- そのため長く会社に勤めるつもりがなく、人の入れ替わりが多いSESの企業の方が反対に今の自分に合っていると感じたため
このように、このときの自分が最優先で達成したいことや、キャリアの流動性を考え、
SES企業に入るメリットが多いと感じたため、転職することに決めました。
SES企業に勤めて感じた良い点
さてやっと本題に入っていきます!
まずは私がSES企業に勤めて感じたメリットについて紹介します。
様々な現場を通じてスキルアップできる
私が感じるSES企業に勤める一番のメリットは、色んな企業の案件に携わることができる点だと思います。
普通は自社開発の会社に勤めていると、同じサービス開発にずっと携わるか、自社内の別プロジェクトに移動してスキルを積み上げていくことになります。
ですが、SESだと自分が希望をすれば案件を変えてもらうことが可能なので、幅広いスキルを習得できるチャンスがあります。
注意点
ですが一点注意すべきことがあります。
それは「案件選択制」を取り入れていないSES企業は危険ということです。
SESには様々なルールを設けている会社があり、「案件選択制」がないところは会社が案件を決め、半ば強制的に現場に入れられてしまう可能性があります。
SESに就職を考えられている場合は、「案件選択制」があるかどうか確認しておくことをオススメします。
さて話は戻りますが、実際に私が紹介を受けた案件を振り返ると、
下流工程が多い案件もあれば、上流工程がメインの案件もあり様々でした。
一つの会社に所属しながら、色んな現場を経験し、異なる業務を経験できることはSES業態ならではだと感じました。
大企業のサービス開発に携わることができる
これは私がこれまで紹介を受けた案件を見て気づいた点ですが、
基本的に大企業のサービス開発の案件が多かったです。
それこそ大手人材紹介や大手鉄道会社が運営するプロダクト開発など・・
通常そういった大企業に就職しようと思うとかなり難関だと思いますが、
SESだとそういった現場にも入れる機会があるので、良い経験につながると感じました。
交渉事はすべて会社が担ってくれる
派遣業務や業務委託で仕事をしたことがある人ならイメージしやすいかと思いますが、
案件先に対する交渉事は自分でしようとすると結構精神がすり減ったり、気後れしてしまう人も多いと思います。
ですがSES会社にいると、そこは会社が役割を担ってくれます。
営業もそうですし、単価の交渉は業務範囲の調整などさまざま。
私が勤めていたSES会社は、毎月1回必ず社内1on1の機会があり、
そこで現場で感じている不満やトラブル、悩み事を聞いてもらっていました。
私が話した内容を受けて担当者が案件先と調整して、改善してもらうなどの対応をしてもらっていました。
以上が私が感じたSES企業の良い点でした。
続いて、悪い点について見ていきます。
SES企業に勤めて感じた悪い点
案件には面接に合格しないと参画できない
これはよく考えたら当たり前なのですが、私はSES会社に入るまで知らなかったというか想像ができていませんでした。
そのためちょっと後悔した点でもあるのですが、そもそも面接って結構大変じゃないですか...💦
案件参画前は必ず相手先との面接があり、それに合格しないと参画はできません。
(面接は通常1回のみだと思います)
私は5~10件ほどの案件をSES会社の営業から紹介してもらい、
興味を持ったものに関し、すべて面接を受けていました。
そのため週に何度も面接を受けることになり、これって就職活動の大変さと変わらんやんと思い、結構疲れてしまいました。
しかも業務時間後の時間設定が多く(私の場合)、19時や20時から面接開始ということでそういった点も疲れるなぁと感じていました。
とはいえ、面接は場数が大切というように、結構な数の面接を経験できたので、おかげさまで面接には慣れる事ができました笑
良い案件があるとは限らない
「案件は水物です」
これはSES企業の営業担当から言われたものです。
良い案件との巡り合わせがあるかどうかはタイミングです。
またSES会社の営業力にかなり偏ってきます。
私が入ったSES企業は、まだまだ小規模で設立してから間もないところでした。
そのため会社に営業力もそこまでなかったと、今振り返ると思います。
私がそういったSES企業に勤めて感じたことは、
「大手のSES企業に勤めることが大事」ということです。
大手だと案件保有数も多く、営業力もそこそこあり、実績が多いはずです。
私は小さいSES企業に所属していたため、まだまだ企業としても未熟で手探り状態だったため、不安に感じる点も多かったです。
案件を辞退しにくい空気がある
前章の中で、「案件選択制」について触れました。
自分で案件を選択できる制度があるということですが、
案件を辞退するというのはなかなか難しいところもあると感じました。
なぜなら会社としては、一日でも早く案件に参画してほしいからです。
そうでないと会社として売上が立ちません。
そのため、案件選択制の制度があるとはいえ、ある程度会社からの圧力というか、そういった雰囲気は感じました。
何でも自分の自由に決められる!と思いすぎてはいけないと思います。
給料が低い
これはSESの事業形態上、そうなるのは避けられないかと思います。
多重下請け構造であったり、中抜きが発生するので、エンジニアに還元される率は下がります。
私も自社開発企業からSES企業に入社して、かなり年収が下がりました。
(未経験扱いだったので、単価もほぼ最低ラインでした)
正直、経済上かなり苦しかったです。
もし未経験枠でSES就職を考えられている方がいれば、
入社する前に「給料形態」「昇給制度」「ボーナス制度」について詳しく聞いておくことをオススメします。
SESで失敗しないために
ここまでSES企業に入って感じた良い点・悪い点について紹介してきました。
もし今後SES企業に就職しようかと考えておられる方がいれば、
これまでの記事に内容を踏まえて、以下のことに気をつけていただきたいと思います。
※あくまでも個人の意見となります。
- 設立して間もないSES企業は避ける
- 案件選択制がないSES企業は避ける
- 還元率が低い or 高すぎるSES企業は避ける
設立して間もないSES企業は避ける
設立して間もないSES企業は、まだ取引先とのコネクションが薄かったり、実績がないため良い案件を抱えている数が少なくなりがちです。
また会社としての体制が整っていなかったり、
企業体力がなかったりと、エンジニアに皺寄せが来てしまう可能性が高くなってしまうと考えています。
(例えば「待機期間の給料保証がない」「営業力がない」など)
私は設立後1年という超スタートアップSES企業に入社したため、
かなりこれら点の弱さを感じました。
働いている人たちはとても良い人ばかりだったんですけどね...
案件選択制がないSES企業は避ける
案件選択制がない会社は危険です。
自分に案件選択の権利がなく、会社の言いなりになってされてしまうことになりかねないため、必ず入社前に確認しましょう!
還元率が低い or 高すぎるSES企業は避ける
SES企業のWebサイトを覗くと、還元率について触れられていることが多いと思います。
その還元率の数字が「低すぎる」または「高すぎる」場合は注意が必要です。
高ければ高いほど良いというわけでもなく、
高すぎる場合(例えば90%以上など)、裏事情があったり良く見せているだけのケースがあります。
一般的に高還元と言われている70%台くらいが選択基準になると思います。
最後に
ここまでお読みくださりありがとうございます。
本記事では、自社開発を経験した私がSES企業に転職して感じた点についてまとめました。
そしてその上で、SES企業を選ぶ上で注意してほしい点についても紹介しました。
「SESは闇」とも言われている今。
それでもSESを選ぶには、メリット・デメリット両方存在します。
ですがそれはSES企業に限らず、どこの企業にも言えることです。
なので重要なことは、入る会社が自分のビジョンや目的に沿っているかということだと思います。
この記事が参考になれば幸いです。
ありがとうございました。