私は新卒でシステムエンジニア(以下SE)になり、その後転職してWebコーダーになりました。
SEとWebコーダーでは違うことだらけで、両方の職種を経験したからこそ書けることがあるのではないかと思って、今回記事にしてみることにしました。
・SEからWebコーダーに転職を考えている
・反対にWebコーダーからSEに転職を考えている
・SEとWebコーダーというエンジニア職に興味があるので違いを知りたい
このような方達に向けた記事となっています。
それぞれの違いについて、6つの観点から比較してみましたので参考になれば幸いです。
SEとは
最初にSEとはそもそもどのような職業なのかについてですが、
SEとは顧客からの要望に応じ、システム要件をヒアリングし、仕様を決定したり設計書を作成します。
主にシステム開発工程における上流工程を担うことが多いです。
またプロジェクト全体を通じて、進捗管理をしたり、顧客折衝を行ったりと、マネジメント業務も併せて担います。
そのためSEと聞くと、プログラミングを行うイメージがあるかと思いますが、
基本的にはプログラマーという別の職種が存在するので、その方達に依頼することが多いのではないかと思います。
SEは技術職ではありますが、プロジェクトマネジメント力であったり、コミュニケーション力が求められる仕事だと思います。
私のSEとしての経歴
私が担当していただクライアントの業種は、流通系だったのですが、主に以下のようなシステムに携わっていました。
- 販売管理システム
- 在庫管理システム
- ECサイトシステム
- 基幹システム
またプロジェクトの開発工程でいうと、「要件定義〜開発〜テスト〜リリース」と最初から最後まで経験してきました。
私はSEとして4年弱ほど働いていましたが、前半と後半の時期で仕事内容は少し変化していました。
新卒1年目〜2年目の仕事内容
- 単体テスト
- 結合テスト
- プログラミング
- 顧客先会議での議事録係
3年目〜4年目の仕事内容
- 要件定義(小規模プロジェクト)
- 進捗管理
- プログラミング
- リリース
私は文系出身で全くの未経験でSEになったので、
最初の頃は修行みたいな感じで、下流工程の仕事をすることがほとんどでした。
3年目を迎えてから、徐々に上流工程に関わる機会も多くなり、SEらしい仕事をできていたのかなと思います。
Webコーダーとは
Webコーダーとは、Webサイト制作におけるコーディング工程を担う職種です。
Webデザイナーが作成したデザインデータを元に、Web上でサイトが閲覧できるように、HTMLやCSS、JavaScriptといった言語を用いてサイトを作り上げていきます。
WebデザイナーやWebディレクターと一緒にサイトを作り上げていくので、
いずれにしてもコミュニケーション力は欠かせませんが、どちらかというよりコードを書いている時間がほとんどなので、知識・技術力が求められる仕事だと思っています。
私のWebコーダーとしての経歴
私はIT企業のインハウスWebコーダーとして転職しました。
Webコーダー歴は2年以上です。
インハウスなので勤め先企業の自社サイトに関わる制作がほとんどですが、たまに他社サイトの開発にも携わっています。
現在はHTML・CSS・JavaScriptに加え、WordPressのカスタマイズ開発を行うことが多いです。
【項目別】6つの観点からみるSEとWebコーダーの違い
ここからはSEとWebコーダーの両方を経験した上で感じた違いについて、項目別に分けて書いていきたいと思います。
年収
まずは年収について。
- SE:平均568.9万円 ※1
- Webコーダー:平均300〜400万が相場 ※2
※1:出典 e-stat(https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003084610) ※2:Web系職種に特化した求人サイトを参考
このようにSEの方が平均年収が高いことがわかりますね。
実際私の経験上としても、SE時代の方が高かったです。
Webコーダーに転職して年収は大体100万ほど下がってしまいました。(未経験というのも大きかったと思います)
ただ会社によって基本給とかは違うので一概には言えないですが、やはり感覚的にWebコーダーよりもSEの方が給料は高いイメージがありますね。
残業時間
Webコーダーになって残業時間は少なくなりました。(私の場合)
SE時代は、結構終電とかで帰ることも多く、年末年始もリリースのために出勤したりしていたので、それが大きいですね。
Webコーダーになってからは、インハウスということもあるかもしれませんが、休日出勤はなくなりましたし、かなり働きやすくなりました。
ただ納期間近になったり、案件が重なったりするとどうしても残業は必要になってきます。
SE時代に比べ少なくなったとはいえ、毎日定時で帰れるかと言われればそうでもないので、「毎日きっちり定時で帰りたい」という人にとっては合わないかもしれません。
仕事内容
少し上でも触れていますが、SEとWebコーダーで仕事内容は全く異なりますね。
まずこのように最終出来上がるものが違います。
最終プロダクトの違い
- SE:顧客会社で使用されるシステム
- Webコーダー:Webサイト
一日を見ても、SEとWebコーダーで行なっている仕事内容は全然違いますね。
一日における主な仕事
- SE:プロジェクト全体における調整作業、進捗管理等
- Webコーダー:コーディング作業
必要スキル
個人的にはSEとWebコーダー両方を経験して、それぞれに必要なスキルは下記かなと思います。
SEに必要なスキル
- 基礎的なIT知識
- プロジェクトマネジメント力
- コミュニケーション力
- 上記に加え、プログラミングスキルがあればプラス要素になる
Webコーダーに必要なスキル(最低限)
- マークアップスキル(HTML、CSS)
- プログラミングスキル(JavaScript)
- Webに関わる全般的知識
SEに必要なスキルはどの業界・会社でも通用しそうな汎用的スキルに対し、
どちらかというとWebコーダーは専門的な技術力が必要という感じがしますね。
将来性
どちらも将来性はあると思います。
SEにしてもWebコーダーにしても、現在ではIT人材は常に不足しているので、需要のある職種だと思いますし、
一番は手に職がつくので、よっぽどのことがない限り将来困ることは少ないのではないかと思います。
ストレス具合
圧倒的にSE時代の方がストレスが多かったです笑 (個人的ですみません)
主なストレス要因
- 残業・休日出勤が多い
- マネジメント等の調整事が苦手
- システムトラブル時の寿命の縮まり具合がハンパない
やはり残業時間が多いと体に負担がかかりますし、精神的にもきつくなってきますよね。
私はどちらかというと、仕事よりもプライベートを大事にしたく、
年末年始は家族と過ごしたい気持ちが強かったので、毎年恒例の年末年始の出勤がかなりしんどかった思い出です・・・
もちろんこれは会社やプロジェクトによって全然違ってくるので、全員が全員そうとは限りませんが、SEは比較的残業や休日出勤が多い傾向にあるのではと思います。
SEは本当に調整事が多い仕事だと思います。
一人で黙々と作業したい方にとっては、あまり向かない仕事かなと思います。
私は一人で黙々派だったのでミスマッチだったなぁと今では感じています。
これはSEあるあるではないでしょうか。
システムにトラブルは付き物です。
システム稼働開始後は運用保守工程に入るのですが、経験上1ヶ月に1回くらいは何かしらのトラブルやシステムエラーが発生していました。(複数顧客のシステムを常にいくつも見ていたのもあります)
トラブルが起こると、早く解決せねばと、まずは原因調査から始まり、切り戻し判断、修正対応、そしてリリース等、
終始緊張感が漂う中作業が行われるのです・・
私はトラブル対応が怖くて、休日でも仕事が終わって家で休んでいる時でも、
頭のどこかで「今トラブルが起こったらどうしよう・・」と勝手に病んでいました。
SEになって身についたスキル
色々悲観的なことを書いてしまいましたが、もちろんSEで学んだことは沢山ありますし、身についたスキルもあります。
SEになって身についたスキル
- プロジェクト全体を俯瞰的に見る力
- スケジューリング力
- 課題解決力
- 相手視点に立って考える力
どれも社会人として必要な力だと思いますし、プロジェクトを進行管理していくような上流工程を経験できたからこそ、学べたことだと思います。
SEとWebコーダーそれぞれに向いている人の特徴
前項では様々な観点からSEとWebコーダーを比較してみました。
ここではそれぞれの違いを踏まえた上で、どのような人がSEもしくはWebコーダーに向いているか考えていきたいと思います。
SEに向いている人
- 人と話すことが好き
- 要件整理や設計など上流工程に興味がある
- プログラミングより、マネジメント力を伸ばしたい
- 年収を重視している
このような感じでしょうか。
どちらかというと、 自分が手を動かして(プログラミングという側面から)システム開発に関わるというよりも、
人の上に立って、プロジェクトを遂行していく・ハンドリングしていくことに興味がある方が向いているのではないかと思います。
また年収を重視する方は、SEの方が向いていると思います。
大企業になると更に年収も上がる傾向にあります。
Webコーダーに向いている人
- 一人で黙々と作業する方が好き
- プログラミング・コーディングが好き
- 勉強が好きで、スキルアップのために努力ができる
SEと比べて、どちらかというと「職人気質」が強い方が向いているかなと思います。
またWebコーダーとして働くのであれば、知識・スキルは必須なので常に勉強はし続けないといけないかなと思います。
年収については、SEの方が高い傾向にありますが、
Webコーダーの強みとしては、「副業」であったり、「独立」がしやすいので、自分次第では収入はどんどん増やしていくことができます。
SEより年収が低いとはいえ、働き方によっては十分カバーできる範囲だと思います。
未経験からでもエンジニアになれるのか
結論なれます。
私自身、SEもWebコーダーも両方とも未経験からなりました。
なので「理系出身じゃないから」「未経験だから」と、諦めることはないと考えています!
ただWebコーダーに関しては、専門的スキルが必要になってくるので、ある程度勉強は必要になります。
詳しくは下記記事で詳しく書いていますので、興味のある方は覗いてみてください。
まとめ
項目別に比較した内容を表にまとめてみました。
SE | Webコーダー | 補足 | |
---|---|---|---|
年収 | ◯ | 条件付き◯ | Webコーダーは副業や独立して稼ぎやすい |
残業時間 | × | △ | |
仕事内容 | 項目参照 | 項目参照 | |
必要スキル | 項目参照 | 項目参照 | |
将来性 | ◯ | ◯ | |
ストレス具合 | × | ◯ |
こう見るとWebコーダー贔屓に見えますが、個人的主観も入っていますので
あくまでも参考程度にご覧いただけると嬉しいです。
やはり同じエンジニアの枠とはいえ、SEとWebコーダーでも全然違いますね。
今回比較して思いましたが、やはりそれぞれに良い面・悪い面の両側面あるので、
どんな価値観を大事にするか、どのように働きたいかでキャリア形成の仕方は人それぞれ変わってくるのかなと思います。
この記事が参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。